「子どもを産まない選択をする人が増えている」というニュースを見て、複雑な気持ちになったことはありませんか?
2023年の調査では、Z世代(18〜25歳)の45.7%が「子どもがほしくない」と回答しています。
約半数ものZ世代が、子どもを持たない人生を選ぼうとしているのです。
一方で、SNSやYahoo!知恵袋などでは「子なし夫婦がムカつく」「自由でいいよね」といった声も見かけます。
子育て中のママなら、疲れ果てた夜にふと「子どもがいない生活って、どんなに楽だろう」と思ってしまった経験があるのではないでしょうか。
この記事では、最新データをもとにZ世代が子どもを産まない理由と、「子なし夫婦ムカつく」という感情がなぜ生まれるのかを、解説します。
対立ではなく、お互いの選択を理解し合うきっかけになれば幸いです。
Z世代が子どもを産まない理由
なぜZ世代の半数近くが「子どもを産まない」選択をしようとしているのでしょうか?
ここでは、最新の調査データをもとに、Z世代が子どもを持ちたくない理由を詳しく見ていきます。
Z世代の45%が「子どもを産まない」選択をしている
2023年2月、BIGLOBEが実施した調査では、Z世代(18〜25歳)の未婚・子なし457人のうち、45.7%が「子どもがほしくない」と回答しました。
「子どもがほしい」と答えたのは54.3%。
つまり、ほぼ半数のZ世代が、子どもを持たない人生を選択しようとしているのです。
参照:BIGLOBE
さらに、2024年9月に日本財団が全国の15〜45歳の男女6,000人を対象に行った調査では、「子どもを持ちたくない・いなくてもよい」と回答した1,580人の理由が詳しく明らかになりました。
その理由トップ10は以下の通りです。
- 経済的負担が大きい:42.8%
- 自由な時間・生活を優先したい:37.2%
- 出産・育児に自信がない:35.4%
- 子どものしつけなどストレスを感じる:35.4%
- 給与水準が低く経済的余裕がない:28.2%
- 子どもが好きでない:25.4%
- 子どもの健康が不安:21.5%
- 将来の社会が不安:19.9%
- 仕事と育児の両立が難しい:19.4%
- 自分や配偶者の健康が心配:11.1%
参照:日本財団
それでは、上位の理由を1つずつ詳しく見ていきましょう。
理由①:経済的負担が大きい(42.8%)
最も多かった理由は「経済的負担」です。
日本財団の調査では、42.8%が経済的な理由で子どもを持ちたくないと回答しています。
子育てにかかる費用の実態
内閣府の試算によると、子ども1人を育てるのにかかる費用は次の通りです。
- 出産費用:約50万円(保険適用外の費用含む)
- 養育費(0〜22歳):約1,640万円
- 教育費(幼稚園〜大学まですべて公立):約1,000万円
- 教育費(幼稚園〜大学まですべて私立):2,000万円以上
つまり、子ども1人につき最低でも2,640万円、私立なら3,640万円以上が必要になりますよね。
さらに、習い事や塾、部活動、スマートフォン代、大学での一人暮らし費用などを含めると、実際にはもっとかかるのが現実です。
物価高・賃金停滞の中での選択
2026年現在、物価は上がり続けているのに、給与はなかなか上がりませんよね。
総務省の家計調査でも、実質賃金は低下傾向が続いています。
「自分たちの生活だけで精一杯なのに、子どもまで育てる余裕はない」
そう考えるZ世代が増えているのは、無理もないです。
実際に、妊娠中・出産後の女性1,353人を対象にしたマザー&チャイルド協会の調査でも、少子化の最大の原因は「経済的不安」と指摘されています。
参照:マザー&チャイルド協会
理由②:自由な時間・生活を優先したい(37.2%)
2番目に多かったのは、「自由な時間や生活を優先したい」という理由で、37.2%が回答しています。
日本財団の調査では、この理由は特に女性に多く見られました。
子育ては、24時間365日続きますよね。
夜泣き、授乳、オムツ替え、離乳食、イヤイヤ期…。自分の時間はほとんど持てなくなります。
「自分の時間を大切にしたい」「趣味や仕事を優先したい」と考えるのは、決してわがままではありません。
むしろ、自分の人生をしっかり考えている証拠といえます。
ライフスタイルの変化
ひと昔前は「結婚して子どもを産むのが当たり前」という価値観が強くありました。
でも今は、自分らしい生き方を選ぶ自由が尊重される時代です。
「子どもがいなくても、充実した人生を送りたい」
そう考えるZ世代が増えているのは、時代の変化とも言えますね。
理由③:出産・育児に自信がない(35.4%)
3番目に多かった理由は、「出産・育児に自信がない」で、35.4%が回答しています。
核家族化が進み、近くに頼れる両親や親戚がいない家庭が増えています。
「出産後、誰も助けてくれる人がいなかったらどうしよう」
「ワンオペ育児になったら、自分が壊れてしまうかもしれない」
そんな不安を抱えるのは、とても自然なことです。
情報過多によるプレッシャー
SNSやネットには、子育て情報があふれていますよね。
「離乳食は手作りじゃないとダメ」
「早期教育が大事」
「イヤイヤ期の対応を間違えると、子どもの将来に影響する」
こうした情報に触れるたびに、「自分にちゃんと育てられるだろうか」と不安になってしまうのではないでしょうか。
理由④:子どものしつけなどストレスを感じる(35.4%)
同じく3位タイ(35.4%)だったのが、「子どものしつけなどストレスを感じる」という理由です。
子どもを育てるということは、1人の人間の人生に責任を持つということです。
「ちゃんとした大人に育てなければ」
「周りに迷惑をかけないようにしつけなければ」
そんなプレッシャーは、想像以上に重いものですよね。
SNSでの比較疲れ
SNSを見ると、他の家庭の子どもは「お行儀が良い」「賢い」「可愛い」ように見えてしまいます。
「うちの子はイヤイヤばかり」
「私のしつけが悪いのかな」
そんな風に自分を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。
Z世代は、こうしたストレスを事前に察知して、「自分には無理かもしれない」と感じているのかもしれませんね。
理由⑤:給与水準が低く経済的余裕がない(28.2%)
5番目に多かった理由は、「給与水準が低く経済的余裕がない」で、28.2%が回答しています。
この理由は、特に26〜45歳の男性に多く見られました。
「自分の給料では、家族を養えない」
「共働きでないと生活できない」
そんな現実を前に、子どもを持つことをためらう男性が増えているのです。
賃金停滞と物価高のダブルパンチ
日本では、この30年間ほとんど賃金が上がっていません。一方で、物価は上昇し続けています。
2026年4月からは「子ども・子育て支援金」の徴収も始まり、健康保険料に月約400円が上乗せされます。
「自分の生活も苦しいのに、子どもなんて無理」
そう感じるのは、決して甘えではないのではないでしょうか。
その他の理由
ランキング6位以降には、次のような理由もありました。
- 子どもが好きでない:25.4%
- 子どもの健康が不安:21.5%
- 将来の社会が不安:19.9%
- 仕事と育児の両立が難しい:19.4%
- 自分や配偶者の健康が心配:11.1%
「子どもが好きでない」というのは、正直に言いにくい理由かもしれません。
でも、自分の気持ちに正直でいることは、とても大切なことですよね。
また、「将来の社会が不安」という回答からは、気候変動や経済不安、戦争などのニュースを見て、「こんな世の中に子どもを産んでいいのだろうか」と悩むZ世代の姿が見えてきます。
「子なし夫婦ムカつく」という感情はなぜ生まれるのか?
では、なぜ「子なし夫婦ムカつく」という感情が生まれるのでしょうか?
実はこの感情、単純な「怒り」ではなく、羨望・疲労・孤独感が入り混じった複雑なものなのです。
理由①:自由な生活への羨ましさ・妬み
一番大きな理由は、「羨ましい」という気持ちです。
子どもが生まれると、次のようなものを失います。
- 自由な時間:夜泣き対応、授乳、送り迎え…自分の時間はほぼゼロ
- 自由なお金:教育費・生活費で貯金が減る一方
- ぐっすり眠る時間:夜泣きで何度も起こされる日々
- 夫婦2人の時間:デートも旅行も、子ども優先
- キャリア:育休・時短勤務で昇進が遅れる
一方、子なし夫婦は(少なくとも外から見ると)自由に見えます。
「週末は夫婦で旅行」
「好きなだけ寝られる」
「趣味にお金を使える」
疲れ果てたママが、そんな生活を羨ましく思うのは当然ではないでしょうか。
「ムカつく」ではなく「羨ましい」
Yahoo!知恵袋には、こんな声がありました。
「子なし夫婦が羨ましくて仕方ない。自由でいいなと思ってしまう」
参照:Yahoo!知恵袋
本当は「ムカつく」のではなく、「羨ましい」「疲れた」という気持ちなのかもしれませんね。
理由②:「子持ち vs 子なし」の対立構造
2つ目の理由は、SNSや社会が作り出す「対立構造」です。
TwitterやInstagramでは、次のような投稿が炎上することがあります。
「独身税とか、子なしに負担させるのおかしくない?」
「子持ちばかり優遇されてずるい」
一方で、子育て世帯からは
「子なし夫婦は楽でいいよね」
「子育ての大変さを知らないくせに」
といった声も上がります。
こうした対立を煽る構図が、お互いへの不信感を生んでいるのではないでしょうか。
独身税・支援金論争との関連
2026年4月から始まった「子ども・子育て支援金」は、健康保険加入者全員が負担します。
子なし・独身の人からは「実質的な独身税だ」と批判の声が上がり、一方で子育て世帯も「月400円もらったところで焼け石に水」と不満を抱えています。
本当は、どちらも苦しいのに、対立させられているのかもしれませんね。
理由③:複雑な感情(ムカつくというより、もやもや)
3つ目の理由は、感情がうまく言葉にできない「もやもや」です。
子育て中のママが感じているのは、単純な怒りではありません。
「羨ましい」
「疲れた」
「誰も助けてくれない孤独感」
「自分の選択は正しかったのかという不安」
こうした複雑な感情が、「ムカつく」という言葉で表現されているのではないでしょうか。
PRESIDENT Onlineの指摘
PRESIDENT Onlineの記事では、次のような指摘がありました。
「今後、少子化が進めば『子持ち様』が優遇され、『独身様』が肩身の狭い思いをする時代が来るかもしれない」
参照:PRESIDENT Online
でも、本当にそれで良いのでしょうか?
子持ちも子なしも、お互いが尊重される社会の方が、ずっと幸せなはずですよね。
子育て世帯も子なし夫婦も、それぞれ苦しんでいる
最後に、もう一度お伝えしたいことがあります。
子育て世帯も、子なし夫婦も、それぞれ苦しんでいるということです。
子育て世帯の苦しみ
- 経済的負担が重い
- 時間も睡眠も自由もない
- ワンオペ育児で孤独
- キャリアを諦めざるを得ない
子なし夫婦の苦しみ
- 「子どもは?」というプレッシャー
- 独身税・支援金で負担増
- 「子なしは楽でいいね」という偏見
- 将来の孤独への不安
どちらも、簡単な選択ではないですよね。
根本問題は「賃金停滞・物価高・社会不安」
対立の本当の原因は、子持ちvs子なしではありません。
こうした社会全体の問題が、私たちを苦しめているのではないでしょうか。
まとめ:対立ではなく、お互いの選択を尊重できる社会へ
この記事では、Z世代が子どもを産まない理由と、「子なし夫婦ムカつく」という感情の背景を見てきました。
Z世代が子どもを産まない理由トップ5
- 経済的負担が大きい(42.8%)
- 自由な時間・生活を優先したい(37.2%)
- 出産・育児に自信がない(35.4%)
- 子どものしつけなどストレスを感じる(35.4%)
- 給与水準が低く経済的余裕がない(28.2%)
「子なし夫婦ムカつく」感情が生まれる理由
- 自由な生活への羨ましさ・妬み
- SNSや社会が作る「子持ちvs子なし」の対立構造
- 複雑な感情(本当は疲れている・孤独)
大切なのは、対立ではなく、お互いの選択を尊重することです。
子どもを産む選択も、産まない選択も、どちらも尊重されるべきです。
そして、どちらを選んでも安心して暮らせる社会を作ることが、今、私たちに求められているのではないでしょうか。
疲れたとき、誰かを責めたくなったとき。
少し立ち止まって、「みんな、それぞれ頑張っているんだな」と思い出してみてください。
それが、少しでも優しい社会への第一歩になるかもしれません。
