
3歳から保育園が無償化って聞いてたのに、うちの子はまだ有料なの?
4月生まれのお子さんを持つママなら、そんな疑問を感じたことがあるのではないでしょうか。
結論から言うと、保育園無償化は4月生まれの子にとって「損」です。
早生まれ(3月生まれ)と比べて、最大約30万円〜50万円も多く保育料を払うことになります。
同じクラスで同じように保育を受けているのに、誕生月が違うだけでこれだけの差が出てしまうのです。
この記事を読めば、制度の仕組みを理解して、転園などの選択肢を検討したり、納得して待つことができるようになりますよ。
この記事でわかること
4月1日生まれのお子さんを持つ方は、こちらの記事も参考にしてください。
保育園無償化は4月生まれが損?誕生月による差を解説
「3歳から無償化」という言葉を聞いて、多くのママが誤解しています。
実際には、保育園と幼稚園で無償化のルールが異なり、誕生月によって最大約50万円もの差が生まれることがあります。
ここでは、保育園の無償化ルールと誕生月による差を詳しく見ていきましょう。
保育園の無償化ルール:満3歳の誕生日ではない
保育園の無償化は、満3歳の誕生日からではなく、「3歳になった後の最初の4月1日」から始まります。
これは、こども家庭庁が定めた公式のルールです。
こども家庭庁の公式サイトには、次のように明記されています。
「無償化の期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
(注)幼稚園については、入園できる時期に合わせて、満3歳から無償化します。」
参照:こども家庭庁
つまり、4月2日生まれの子が3歳の誕生日を迎えても、翌年の4月1日まではまだ保育料がかかるのです。
ただし、4月1日生まれは例外です。
法律上、4月1日生まれは「1つ上の学年」として扱われるため、3歳の誕生日と同時に無償化されます。
つまり、有料期間はほぼありません。
なぜこのようなルールなのか?
保育園は「年度単位(4月〜3月)」でクラス編成を行います。
0歳児クラス、1歳児クラス、2歳児クラス、3歳児クラス(年少)…という形で、4月1日時点の年齢でクラスが決まります。
そして、無償化の対象は「3歳児クラス(年少)」からです。
年度の途中で3歳の誕生日を迎えても、まだ2歳児クラスにいる間は無償化の対象外となります。
「3歳から無償化」という言葉だけが広まっていて、実際のルールが十分に説明されていないため、多くのママが「3歳の誕生日からすぐ無料になる」と誤解してしまうのです。
4月生まれの子は約11か月間が有料
では、具体的にどれくらいの期間、保育料を払い続けなければならないのでしょうか?
4月2日生まれの子の場合
- 3歳の誕生日:4月2日
- 無償化開始:翌年の4月1日
- 有料期間:約11か月間(4月〜翌年3月)
つまり、3歳の誕生日を迎えてから、約11か月間は保育料を払い続けることになります。
具体例で見てみましょう。
4月5日生まれのAちゃんの場合
- 2023年4月5日生まれ
- 2026年4月5日に3歳の誕生日を迎える
- しかし、無償化開始は2027年4月1日
- 2026年4月〜2027年3月の約11か月間は保育料を払う
同じ2歳児クラスにいる3月生まれの子が4月から無料になるのを見て、「どうしてうちだけ…」と感じてしまうのは当然のことですよね。
早生まれ(3月生まれ)の子は約1か月だけ有料
一方、早生まれの子はどうでしょうか?
3月31日生まれの子の場合
- 3歳の誕生日:3月31日
- 無償化開始:翌月の4月1日
- 有料期間:約1か月間(3月のみ)
つまり、3歳の誕生日を迎えてから、約1か月後には無償化されるのです。
具体例で見てみましょう。
3月28日生まれのBちゃんの場合
- 2023年3月28日生まれ
- 2026年3月28日に3歳の誕生日を迎える
- 無償化開始は2026年4月1日
- 2026年3月の約1か月間だけ保育料を払う
4月生まれの子が約11か月間保育料を払うのに対し、3月生まれの子は約1か月間だけ。
この差は大きいですよね。
誕生月別の有料期間一覧
誕生月によって、どれくらい有料期間が変わるのか、一覧で見てみましょう。
| 誕生月 | 学年 | 3歳の誕生日(例) | 無償化開始 | 有料期間 |
|---|---|---|---|---|
| 4月1日 | 前年度 | 2026年4月1日 | 2026年4月1日 | ほぼ0か月 |
| 4月2日〜30日 | 当年度 | 2026年4月 | 2027年4月1日 | 約11か月 |
| 5月 | 当年度 | 2026年5月 | 2027年4月1日 | 約10か月 |
| 6月 | 当年度 | 2026年6月 | 2027年4月1日 | 約9か月 |
| 7月 | 当年度 | 2026年7月 | 2027年4月1日 | 約8か月 |
| 8月 | 当年度 | 2026年8月 | 2027年4月1日 | 約7か月 |
| 9月 | 当年度 | 2026年9月 | 2027年4月1日 | 約6か月 |
| 10月 | 当年度 | 2026年10月 | 2027年4月1日 | 約5か月 |
| 11月 | 当年度 | 2026年11月 | 2027年4月1日 | 約4か月 |
| 12月 | 当年度 | 2026年12月 | 2027年4月1日 | 約3か月 |
| 1月 | 当年度 | 2027年1月 | 2027年4月1日 | 約2か月 |
| 2月 | 当年度 | 2027年2月 | 2027年4月1日 | 約1か月 |
| 3月 | 当年度 | 2027年3月 | 2027年4月1日 | 約1か月 |
このように、4月1日を除いた4月生まれが最も長く、3月生まれが最も短い有料期間となります。
なぜこんな仕組みなのか?
「どうして、こんな不公平な仕組みになっているの?」と疑問に思いますよね。
理由①:保育園は年度単位で運営
保育園では、4月〜3月を1年度として、クラス編成を行います。
年度の途中で子どもの年齢が変わっても、クラスは変わりません。
- 0歳児クラス:4月1日時点で0歳の子
- 1歳児クラス:4月1日時点で1歳の子
- 2歳児クラス:4月1日時点で2歳の子
- 3歳児クラス(年少):4月1日時点で3歳の子
そして、「3歳児クラス」から無償化という考え方なのです。
理由②:制度設計の問題
読売新聞の記事では、日本総合研究所の池本美香上席主任研究員が次のように指摘しています。
「同じ保育を受けているのに無償化の時期に差があることは、利用している親の間で不公平感が生まれる」
参照:読売新聞
つまり、制度設計の段階で、この不公平感が十分に考慮されていなかったのです。
4月生まれと早生まれの差額シミュレーション
ここでは、具体的にどれくらいの差額が生まれるのか、保育料別にシミュレーションしてみましょう。
自分の家庭の保育料と照らし合わせて、実際の差額を確認してみてください。
保育料が月3万円の場合
まずは、保育料が月3万円の場合です。
年収400万円前後の世帯が該当することが多い金額です。
| 誕生月 | 有料期間 | 総額 | 4月生まれとの差額 |
|---|---|---|---|
| 4月2日〜30日生まれ | 約11か月 | 約33万円 | – |
| 5月生まれ | 約10か月 | 約30万円 | 約3万円 |
| 6月生まれ | 約9か月 | 約27万円 | 約6万円 |
| 7月生まれ | 約8か月 | 約24万円 | 約9万円 |
| 8月生まれ | 約7か月 | 約21万円 | 約12万円 |
| 9月生まれ | 約6か月 | 約18万円 | 約15万円 |
| 10月生まれ | 約5か月 | 約15万円 | 約18万円 |
| 11月生まれ | 約4か月 | 約12万円 | 約21万円 |
| 12月生まれ | 約3か月 | 約9万円 | 約24万円 |
| 1月生まれ | 約2か月 | 約6万円 | 約27万円 |
| 2月生まれ | 約1か月 | 約3万円 | 約30万円 |
| 3月生まれ | 約1か月 | 約3万円 | 約30万円 |
4月生まれと3月生まれの差額は、約30万円です。
30万円あれば、子どもの習い事を1年間続けられたり、家族旅行に行けたり、ベビーカーや自転車を買い替えられたりします。
決して小さくない金額ですよね。
保育料が月5万円の場合
次に、保育料が月5万円の場合を見てみましょう。
年収600万円前後の世帯や、0歳児・1歳児から預けている場合に該当することが多い金額です。
| 誕生月 | 有料期間 | 総額 | 4月生まれとの差額 |
|---|---|---|---|
| 4月2日〜30日生まれ | 約11か月 | 約55万円 | – |
| 5月生まれ | 約10か月 | 約50万円 | 約5万円 |
| 6月生まれ | 約9か月 | 約45万円 | 約10万円 |
| 7月生まれ | 約8か月 | 約40万円 | 約15万円 |
| 8月生まれ | 約7か月 | 約35万円 | 約20万円 |
| 9月生まれ | 約6か月 | 約30万円 | 約25万円 |
| 10月生まれ | 約5か月 | 約25万円 | 約30万円 |
| 11月生まれ | 約4か月 | 約20万円 | 約35万円 |
| 12月生まれ | 約3か月 | 約15万円 | 約40万円 |
| 1月生まれ | 約2か月 | 約10万円 | 約45万円 |
| 2月生まれ | 約1か月 | 約5万円 | 約50万円 |
| 3月生まれ | 約1か月 | 約5万円 | 約50万円 |
4月生まれと3月生まれの差額は、約50万円にもなります。
50万円あれば、車の頭金にできたり、住宅ローンの繰り上げ返済ができたり、子どもの将来のための貯金に回せたりします。
本当に大きな金額ですよね。
所得によって保育料は変わる
保育料は住民税額によって決まります。
大まかな目安は次の通りです(自治体によって異なります)。
保育料の目安(2歳児クラスの場合)
- 年収400万円前後:月2〜3万円
- 年収600万円前後:月4〜5万円
- 年収800万円以上:月6万円以上
つまり、所得が高い世帯ほど、誕生月による差額も大きくなるのです。
例えば、年収800万円以上の世帯で保育料が月6万円の場合。
- 4月生まれ:約11か月×6万円=約66万円
- 3月生まれ:約1か月×6万円=約6万円
- 差額:約60万円
「頑張って働いているのに、保育料も高いし、無償化も遅い…」と感じている共働きママも多いのではないでしょうか。
幼稚園は満3歳から無償化:保育園との違い
ここでさらに複雑なのが、保育園と幼稚園で無償化のルールが違うことです。
「3歳から無償化」という同じ言葉を使っていても、保育園は「年度単位」、幼稚園は「誕生日単位」と、実態は全く異なります。
この違いを理解しておくことが、選択肢を考えるうえで重要です。
幼稚園・認定こども園(1号認定)は満3歳の翌月から無償化
幼稚園や認定こども園(1号認定)の場合、満3歳になった翌月から無償化されます。
例えば:
- 4月生まれの子:5月から無償化
- 7月生まれの子:8月から無償化
- 12月生まれの子:翌年1月から無償化
- 3月生まれの子:4月から無償化
誕生月による差はほとんどありませんよね。
こども家庭庁の公式サイトには、次のように明記されています。
「無償化の期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
(注)幼稚園については、入園できる時期に合わせて、満3歳から無償化します。」
参照:こども家庭庁
つまり、保育園は「4月から」、幼稚園は「満3歳から」というルールなのです。
無償化の範囲
幼稚園の無償化では、月額25,700円までが上限です。
私立幼稚園の場合、この金額を超える部分は自己負担となります。
ただし、多くの幼稚園では月額25,700円以内に収まるため、実質的に無料になるケースが多いです。
認定こども園は複雑
認定こども園は、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設ですが、利用する「認定区分」によって無償化のタイミングが変わります。
- 1号認定(幼稚園型):満3歳の翌月から無償化
- 2号認定(保育園型):3歳になった後の最初の4月から無償化
つまり、同じ認定こども園に通っていても、1号認定か2号認定かで無償化のタイミングが違うのです。
1号認定と2号認定の違い
| 項目 | 1号認定 | 2号認定 |
|---|---|---|
| 対象 | 保育の必要性なし(専業主婦など) | 保育の必要性あり(共働きなど) |
| 保育時間 | 原則9時〜14時(約5時間) | 7時30分〜18時30分など(約11時間) |
| 無償化開始 | 満3歳の翌月から | 3歳になった後の最初の4月から |
| 延長保育 | 別料金(自治体によって補助あり) | 別料金(自治体によって補助あり) |
もし今、お子さんが認定こども園の2号認定で通っているなら、1号認定に切り替えることで早く無償化される可能性があります。
ただし、1号認定は預かり時間が短いため、フルタイムで働いているママには難しい場合もあります。
保育園無償化で「損した」と感じたときの3つの対処法

4月生まれは損だとわかった。
でも、誕生日は変えられないし、どうすればいいの?
ここでは、「損した」と感じたときに検討できる3つの対処法を紹介します。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の状況に合わせて選んでくださいね。
対処法①:認定こども園(1号認定)への転園を検討
認定こども園の1号認定なら、満3歳の翌月から無償化されます。
どれくらい節約できる?
例えば、4月生まれの子なら、5月から無償化。
約10か月分の保育料(月3万円なら約30万円、月5万円なら約50万円)を節約できます。
メリット
デメリット・注意点
検討するときのチェックリスト
転園を検討するなら、次のことを確認してみてください。
フルタイムで働いているママには難しい場合もありますが、パートタイムや在宅勤務のママなら検討の余地があるかもしれません。
対処法②:幼稚園への転園を検討
幼稚園も満3歳の翌月から無償化されます。
最近は、預かり保育を実施している幼稚園も増えています。
どれくらい節約できる?
認定こども園(1号認定)と同様に、満3歳の翌月から無償化されるため、約10か月分の保育料を節約できます。
メリット
デメリット・注意点
検討するときのチェックリスト
転園を検討するなら、次のことを確認してみてください。
実際に園を見学して、預かり保育の内容や雰囲気を確認することをおすすめします。
まとめ:保育園無償化は4月生まれが損をするのは仕方ない
ここまで、保育園無償化の仕組みと誕生月による差額、そして対処法について見てきました。
最後に、もう一度大切なポイントをまとめます。
保育園無償化のルール
- 保育園の無償化は、満3歳の誕生日からではなく、3歳になった後の最初の4月1日から
- 4月生まれの子は約11か月間が有料
- 3月生まれの子は約1か月間だけ有料
- 誕生月によって最大約30万円〜50万円の差が生まれる
「損した」と感じたときの対処法
- 認定こども園(1号認定)への転園を検討
→ 満3歳の翌月から無償化。ただし預かり時間が短い(基本9時〜14時) - 幼稚園への転園を検討
→ 満3歳の翌月から無償化。預かり保育があれば働くママも可能 - 割り切って待つ
→ 転園のストレスと保育料の差額、どちらを取るか。4月からは無償化が始まる
制度の仕組みを理解したうえで、自分とお子さんにとって一番いい選択をすることが大切です。
- 転園して節約するのも一つの選択
- 子どもの環境を優先して待つのも一つの選択
- どちらを選んでも、間違いではありません
保育園や保活でお悩みの方は、こちらを参考にしてください。



