海外での出産。夫の海外赴任、国際結婚、ワーキングホリデー…理由はさまざまですが、初めての海外出産は不安でいっぱいですよね。
「手続きはどうすればいい?」「費用はいくらかかる?」「保険は使える?」「日本国籍はどうなる?」
海外での出産は、準備と手続きをしっかりすれば大丈夫です。
この記事を読めば、妊娠から出産後の手続きまで、海外出産に必要な情報がすべてわかりますよ。
それでは、一つずつ確認していきましょう。
この記事でわかること
妊娠中のお悩みは、こちらの記事を参考にしてください。
海外での出産|全体の流れ
海外での出産は、日本とは異なる点が多くあります。
まずは全体の流れを把握しましょう。
海外出産の大まかな流れ
| タイミング | やること |
|---|---|
| 妊娠前〜妊娠初期 | ・医療保険の加入・確認 ・産院選び ・妊婦健診のスケジュール確認 |
| 妊娠中期 | ・定期健診 ・出産育児一時金の事前確認 ・ベビー用品の準備 |
| 妊娠後期 | ・入院準備 ・出産方法の確認 ・緊急連絡先の確認 |
| 出産直後 | ・現地での出生届(病院が手配する場合も) ・出生証明書(Birth Certificate)の取得 |
| 出産後(帰国前) | ・日本大使館/領事館での出生届 ・国籍留保届 ・パスポート申請 |
| 帰国後 | ・出産育児一時金の申請 ・児童手当の申請 ・乳幼児医療費助成の申請 |
ポイント
日本との主な違い
海外出産と日本での出産では、以下のような違いがあります。
| 項目 | 日本 | 海外(例:アメリカ) |
|---|---|---|
| 健診回数 | 14回程度 | 10〜12回程度(国により異なる) |
| 出産方法 | 自然分娩が主流 | 無痛分娩が主流(73%) |
| 入院期間 | 5〜7日 | 1〜2日 |
| 出生届の期限 | 14日以内 | 3ヶ月以内 |
| 夫の立ち会い | 増加傾向 | ほぼ100% |
海外出産の費用はいくら?
海外での出産費用は、国・都市・病院・出産方法によって大きく異なります。
ここでは主要国の費用相場をご紹介しますね。
国別の出産費用相場
| 国 | 費用(保険なしの場合) | 備考 |
|---|---|---|
| アメリカ | 自然分娩:100万〜150万円 帝王切開:150万〜250万円 | 州や病院により差が大きい 無痛分娩が標準 |
| イギリス | NHS利用:無料 私立病院:100万〜200万円 | NHS(国営医療制度、National Health Service)なら無料だが、駐在員は利用条件に注意 |
| シンガポール | 自然分娩:80万〜120万円 帝王切開:120万〜180万円 | 私立病院が主流 |
| オーストラリア | 公立病院:無料〜30万円 私立病院:80万〜150万円 | 公立は予約が取りにくい |
| 中国(上海・北京) | 自然分娩:50万〜100万円 帝王切開:80万〜150万円 | 外国人向け病院は高額 |
| タイ(バンコク) | 自然分娩:30万〜60万円 帝王切開:50万〜100万円 | 比較的安価で医療水準も高い |
(2024年時点の目安。為替レート:1ドル=150円で計算)
費用に含まれるもの・含まれないもの
一般的に含まれるもの
- 入院費(2〜3日分)
- 分娩介助費
- 新生児ケア
- 基本的な医療処置
別途かかることが多い費用
- 妊婦健診(10〜15回)
- 超音波検査
- 無痛分娩の麻酔費(アメリカでは標準だが追加費用がかかる場合も)
- 個室料金の差額
- 新生児の検査・予防接種
- 産後ケア(産褥入院の延長など)
グローバルフィーとは?
グローバルフィーとは、妊娠初期から産後まで一括で支払う定額制の医療費のことです。
アメリカやシンガポールなど、一部の国では「グローバルフィー制度」を採用している病院があります。
メリット
- 妊婦健診・分娩・産後ケアまで全て含まれる
- 追加費用の心配が少ない
- 予算が立てやすい
デメリット:
- 初期に高額な支払いが必要
- 緊急帝王切開など予定外の処置は別途請求される場合も
費用を抑えるポイント
- 現地の公立病院を利用する
イギリス(NHS)やオーストラリアなど、公的医療制度がある国では費用が大幅に抑えられます。 - 保険を最大限活用する
後述する「海外旅行保険」や「現地の医療保険」をしっかり確認しましょう。 - 出産育児一時金を申請する
日本の健康保険から50万円(2023年4月以降)が支給されます(詳細は後述)。 - 病院のパッケージプランを確認
グローバルフィーや出産パッケージを利用すると、個別に支払うより安くなることも。
海外で医療保険に入る方法
海外での出産費用は高額になりがちです。
そこで重要なのが医療保険です。
ここでは、海外で医療保険に加入する方法と、それぞれの特徴をご紹介します。
1. 現地の民間医療保険
対象者:
駐在員、現地在住者、長期滞在者
特徴:
- 現地の保険会社が提供する医療保険
- 妊娠・出産をカバーするプランがある
- 駐在員向けのパッケージプランも
加入方法:
- 現地の保険会社に直接問い合わせ
- 勤務先が加入手続きをサポートしてくれる場合も
注意点:
- 妊娠前に加入が必須な場合が多い
- 妊娠後の加入は、出産費用がカバーされない(待機期間あり)
- 保険料は月数万円〜
主な保険会社(例):
- アメリカ:Aetna、Cigna、Blue Cross Blue Shield
- イギリス:Bupa、AXA PPP
- シンガポール:AIA、Prudential
- オーストラリア:Medibank、Bupa
2. 日本の海外旅行保険(妊娠特約付き)
対象者:
短期滞在者、駐在初期の方
特徴:
- 日本の保険会社が提供
- 「妊娠・出産特約」を付けることで出産費用をカバー
- 緊急帰国費用も含まれる場合あり
加入方法:
- 渡航前に日本で加入
- オンラインまたは保険代理店で手続き
注意点:
- 妊娠前に加入が原則
- 妊娠22週以降は加入できない保険が多い
- 保険期間は通常1年以内(延長可能な商品も)
主な保険会社(例):
- AIG損保
- 東京海上日動
- 三井住友海上
3. グローバル医療保険(インターナショナル保険)
対象者:
複数国を移動する方、長期海外在住者
特徴:
- 世界中で使える医療保険
- 妊娠・出産も広くカバー
- 日本帰国時も利用可能な商品あり
加入方法:
- 保険ブローカー経由で加入
- オンラインで見積もり・申し込み
注意点:
- 保険料が高額(月5万円〜)
- 妊娠前加入が基本
- 英語での手続きが必要な場合も
主な保険会社(例):
- Cigna Global
- Allianz Care
- Bupa Global
4. 会社の駐在員保険
対象者:
企業派遣の駐在員
特徴:
- 会社が一括で加入している保険
- 家族(配偶者・子ども)も対象
- 妊娠・出産もカバーされることが多い
加入方法:
- 会社の人事・総務部門に確認
- 通常は会社が手続き
注意点:
- 補償内容は会社ごとに異なる
- 妊娠前から補償対象か確認を
- 自己負担額の有無もチェック
保険加入のタイミング
| タイミング | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 妊娠前 | ・ほぼすべての保険に加入可能 ・出産費用も全額カバーされる | – |
| 妊娠初期(〜12週) | ・一部の保険は加入可能 ・ただし待機期間(9〜12か月)あり | ・待機期間中の出産は対象外 |
| 妊娠中期以降(13週〜) | ・加入できる保険はほぼない | ・出産費用は自己負担 |
妊娠を考えている段階で保険に加入するのがベストです。
保険に入っていない場合はどうする?
もし保険に加入していない場合でも、以下の方法で負担を軽減できます。
- 出産育児一時金を活用
日本の健康保険から50万円支給(詳細は後述) - 病院の分割払いを相談
一括払いが難しい場合、病院によっては分割払いに応じてくれることも - 現地の公的医療制度を利用
条件を満たせば、NHS(イギリス)などの公的制度が使える場合あり - クレジットカードの付帯保険を確認
一部のカードには海外旅行保険が自動付帯(ただし妊娠・出産は対象外が多い)
保険についてわからないことがあれば、保険会社や保険ブローカーに事前に相談することをおすすめします。
保険と給付金の使い方
海外出産でも、日本の健康保険の給付は受けられます。
ここでは、保険の種類と給付金の仕組みを解説しますね。
使える保険の種類
| 保険の種類 | 内容 | 出産費用のカバー |
|---|---|---|
| 日本の健康保険 | 国民健康保険、社会保険など | 出産育児一時金(50万円)が支給される |
| 海外旅行保険 | 渡航前に加入 | 妊娠・出産特約があればカバー可能 |
| 現地の医療保険 | 駐在員向けプランなど | 妊娠前加入ならカバーされることが多い |
| 会社の駐在員保険 | 企業が用意 | 家族も対象になることが多い |
海外旅行保険の注意点
カバーされる条件:
- 妊娠前に加入していること
- 妊娠22週未満であること(保険会社により異なる)
- 「妊娠・出産特約」が付いていること
カバーされないケース:
- 妊娠後に加入した場合
- 妊娠22週以降の加入
- 正常分娩(異常分娩のみカバーする商品もある)
現地の医療保険
駐在員向けのプラン:
- 会社が加入している場合、家族(配偶者)も対象
- 妊娠・出産もカバーされることが多い
自己負担額:
- 保険適用後、自己負担が3,000〜5,000ドル(約45万〜75万円)程度かかることも
- グローバルフィー(妊娠〜出産まで定額)制度がある病院も
事前確認が大切:
- 保険会社に「妊娠・出産がカバーされるか」を必ず確認
- 自己負担額の上限も確認しておきましょう
出産育児一時金は海外でももらえる!
出産育児一時金とは、日本の健康保険から支給される給付金です。
支給額:
- 1児につき50万円(2023年4月以降)
- 双子なら100万円
支給条件:
- 日本の健康保険(国民健康保険、社会保険など)に加入していること
- 妊娠4か月(85日)以上での出産(流産・死産も含む)
海外出産でも対象:
海外で出産しても、日本の健康保険に加入していれば支給されます。
出産育児一時金の申請方法
パターン1:帰国後に申請(一般的)
必要書類:
- 出産育児一時金支給申請書(加入している健康保険から入手)
- 出生証明書(Birth Certificate)の原本またはコピー
- 出生証明書の日本語訳(翻訳者の署名入り)
- 医療機関の領収書(出産費用の明細)
- パスポートのコピー(出入国スタンプのページ)
- 振込先の口座情報
提出先:
- 国民健康保険:お住まいの市区町村役場
- 社会保険(協会けんぽ):勤務先または協会けんぽ支部
- 健康保険組合:各健康保険組合
申請期限:
- 出産日の翌日から2年以内
パターン2:海外療養費制度を利用
海外療養費とは、海外で支払った医療費の一部が払い戻される制度です。
ただし、出産育児一時金との併用はできません。
どちらか有利な方を選びましょう。
一般的には出産育児一時金(50万円)の方が有利です。
出生証明書の翻訳について
翻訳は誰がしてもOK:
- 自分で翻訳してもOK
- 翻訳業者に依頼してもOK
必要な記載:
- 翻訳者の氏名・住所・電話番号・署名
テンプレート:
インターネットで「出生証明書 翻訳 テンプレート」と検索すると、無料のテンプレートが見つかります。
出産手当金はもらえる?
出産手当金とは、働いている人が産休中にもらえる給付金です。
支給条件:
- 勤務先の健康保険(社会保険)に加入していること
- 産休を取得していること
海外出産でも対象:
海外で出産しても、日本の会社に在籍し、産休を取得していれば支給されます。
支給額:
- 日給の3分の2相当額
- 産前42日+産後56日=最大98日分
申請方法:
- 勤務先の人事・総務部門に確認
保険や給付金を上手に活用して、費用負担を軽減しましょう。
海外で出産する時に、自己負担を最小限にする方法
海外出産の費用負担を減らすために、具体的な方法をご紹介します。
1. 出産育児一時金を最大限活用
50万円の給付を受けられるので、必ず申請しましょう。
ポイント:
2. 現地の公的医療制度を利用
イギリス(NHS):
- 6か月以上滞在する場合、NHSが利用可能(無料)
- ただし、駐在員は対象外の場合もあるため確認が必要
オーストラリア:
- メディケア(公的保険)に加入できれば、公立病院での出産は無料〜低額
3. 病院のパッケージプランを利用
グローバルフィー:
- 妊娠初期から産後まで一括料金
- 個別払いより安くなることが多い
事前見積もりを取る:
- 複数の病院で見積もりを比較
- 何が含まれているかを細かく確認
4. 無痛分娩か自然分娩かを検討
無痛分娩:
- 欧米では標準だが、追加費用がかかることも
- 費用:約10万〜30万円(国による)
自然分娩:
- 費用は抑えられる
- ただし、緊急時は麻酔を使う場合もある
5. 帰国後の医療費控除を忘れずに
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告で税金が戻ってくる制度です。
対象になるもの:
- 妊婦健診費用
- 出産費用
- 入院費用
- 通院の交通費
海外での支払いも対象:
- 領収書を保管しておく
- 日本円に換算して申告
海外での出産前に準備すべきこと5つ
海外での出産をスムーズに進めるために、事前準備が大切です。
1. 産院選びと予約
選び方のポイント:
- 日本語対応可能か
- 自宅からの距離
- 出産方法(無痛分娩の可否など)
- 評判・口コミ
予約のタイミング:
- 妊娠が分かったらすぐに予約
- 人気の病院は数か月待ちのことも
参考:
- 在外公館(日本大使館・領事館)で病院リストを入手
- 現地の日本人コミュニティで情報収集
2. 医療保険の確認・加入
確認すべきこと:
- 妊娠・出産がカバーされるか
- 自己負担額はいくらか
- キャッシュレス対応か、立て替え払いか
- 緊急帝王切開もカバーされるか
加入のタイミング:
- 妊娠前がベスト
- 妊娠後は加入できない保険が多い
3. 緊急連絡先のリスト作成
リストに入れるべき連絡先:
- 産院の電話番号(24時間対応)
- 救急車の番号(国によって異なる)
- 日本大使館・領事館
- 保険会社の緊急連絡先
- 夫・家族の連絡先
- タクシー会社(陣痛タクシー的なもの)
リストは複数箇所に:
- スマホに登録
- 紙にも印刷して財布に入れる
- 冷蔵庫に貼っておく
4. ベビー用品の準備
現地で揃えるか、日本から持参するかを判断しましょう。
現地で揃えやすいもの:
- おむつ、ミルク(ブランドは異なるが品質は問題なし)
- 哺乳瓶、ベビー服
- ベビーカー、チャイルドシート
日本から持参した方がいいもの:
- 母子手帳(英語版も用意)
- お気に入りのベビーケア用品
- 日本語の育児書
5. 出産後の手続き書類の準備
事前に用意しておくと便利な書類:
- パスポートのコピー
- 戸籍謄本(日本から取り寄せ、または事前に取得)
- 婚姻証明書(国によっては必要)
- 出生届の用紙(在外公館で入手可能)
在外公館の場所を確認:
- 出産後すぐに行けるよう、事前に場所と開館時間を確認
海外での妊娠中に気をつけること
海外での妊娠生活は、日本とは違う点がいくつかあります。
1. 妊婦健診の回数とスケジュール
国によって健診の頻度が異なります。
| 国 | 健診の頻度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本 | 妊娠初期〜23週:4週に1回 24〜35週:2週に1回 36週〜:毎週 | 健診回数が多い |
| アメリカ | 妊娠初期〜28週:4週に1回 28〜36週:2週に1回 36週〜:毎週 | 日本とほぼ同じ |
| イギリス(NHS) | 初産:10回程度 経産婦:7回程度 | 日本より少ない |
| オーストラリア | 10回程度 | 超音波検査は2回のみが標準 |
ポイント
2. 超音波検査(エコー)の頻度
日本:
毎回の健診でエコー検査がある
海外(特に欧米):
エコー検査は妊娠期間中に2〜3回のみが標準
理由:
- 医学的に必要な回数のみ実施
- 過剰な検査を避ける方針
対応:
- 不安な場合は、自費でエコー検査を追加できる病院もあります
3. 言語の壁への対策
医療英語は難しい:
- 専門用語が多く、通常の英会話とは異なる
対策:
- 日本語対応の病院を選ぶ
- 通訳サービスを利用する
- 医療用語集を事前に勉強しておく
- 夫や友人に同行してもらう
4. 食事・栄養管理
国によって食文化が異なる:
- 生魚、生肉、カフェイン、アルコールなどの制限は日本と同じ
- ただし、海外ではチーズ(ソフトチーズ)や加工肉に注意が必要
リステリア菌に注意:
- 欧米では、妊娠中にソフトチーズ(ブリー、カマンベールなど)や生ハムを避けるよう指導される
葉酸サプリ:
- 妊娠初期は葉酸サプリの摂取を推奨
- 現地のドラッグストアでも購入可能
5. 母子手帳の代わりになるもの
海外では母子手帳がない国が多い:
- 代わりに、病院が発行する”Maternity Record”や”Pregnancy Notes”を受け取る
日本の母子手帳も持参:
- 日本の母子手帳も持って行き、自分で記録を残す
- 帰国後の健診で役立つ
英語版母子手帳:
- 母子衛生研究会が発行する英語版母子手帳を購入するのもおすすめ
海外での出産後の手続き(現地)
出産後は、現地での手続きと日本の在外公館での手続きの両方が必要です。
まずは現地での手続きから見ていきましょう。
1. 出生証明書(Birth Certificate)の取得
出生証明書とは、その国で赤ちゃんが生まれたことを証明する公的書類です。
発行元:
- 国や州によって異なる(病院、市役所、登記所など)
手続きの流れ(アメリカの例):
- 病院が出生届を自動的に市役所に提出
- 数週間後、郵送で出生証明書が届く
- 追加で必要な場合は、市役所で再発行可能
必要な枚数:
- 最低でも2〜3枚取得しておく
- 日本の手続き、パスポート申請、帰国後の手続きで必要
費用:
- 1枚あたり$20〜50程度(国による)
2. 現地での出生届
出生地主義の国(アメリカなど):
- 生まれた国の国籍も付与される
- 病院が自動的に手続きを進めてくれることが多い
血統主義の国(日本、ドイツなど):
- 親の国籍に基づいて国籍が決まる
- 出生証明書の取得は必要だが、自動的に国籍は付与されない
用語の説明:
- 出生地主義:生まれた場所によって国籍が決まる(例:アメリカ、カナダ)
- 血統主義:親の国籍によって子の国籍が決まる(例:日本、イタリア)
3. 病院からの退院
退院のタイミング:
- 自然分娩:1〜2日後
- 帝王切開:3〜4日後
退院前に確認すること:
出産後の手続き(日本の在外公館)
日本国籍を取得するための手続きを、在外公館(日本大使館・領事館)で行います。
1. 出生届の提出
期限:
- 出生日から3か月以内
提出先:
- 現地の日本大使館または領事館
必要書類:
- 出生届(在外公館で入手、またはHPからダウンロード)
- 出生証明書(Birth Certificate)の原本とコピー
- 出生証明書の日本語訳(翻訳者の署名入り)
- 父母のパスポート
- 父母の戸籍謄本(6か月以内に発行されたもの)
- 婚姻証明書(国によって必要)
2. 国籍留保届の提出
国籍留保とは、日本国籍を保持する意思を示す届出です。
必要なケース:
- 出生地主義の国(アメリカ、カナダなど)で生まれた場合
- 子どもが二重国籍になる場合
重要:
国籍留保届を出さないと、日本国籍を失います。
期限:
- 出生日から3か月以内
提出方法:
- 出生届と同時に提出(出生届の用紙内に記入欄がある)
3. パスポート申請
赤ちゃんのパスポートを申請します。
必要なタイミング:
- 帰国前に取得が必要
必要書類:
- 一般旅券発給申請書(在外公館で入手)
- 出生証明書と日本語訳
- 戸籍謄本(出生届が反映されたもの)
- 証明写真(赤ちゃんの顔写真、背景白)
- 父母のパスポート
注意点:
- 戸籍謄本に出生が反映されるまで数週間かかる
- 日本から戸籍謄本を取り寄せる必要がある
4. 戸籍謄本の取り寄せ
戸籍謄本は、パスポート申請などで必要になります。
取り寄せ方法:
- 本籍地の市区町村役場に郵送で請求
- 家族に代理で取得してもらい、国際郵便で送ってもらう
必要なもの:
- 戸籍謄本請求書(HPからダウンロード可能)
- 手数料(定額小為替)
- 返信用封筒(国際郵便の場合は国際返信切手券)
- 本人確認書類のコピー
所要時間:
- 国際郵便の場合、往復で2〜4週間
里帰り出産 vs 現地出産の比較
里帰り出産と現地出産、どちらを選ぶか迷いますよね。
それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
里帰り出産のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ✅ 日本語で安心して出産できる | ❌ 航空会社によっては妊娠後期の搭乗制限あり(妊娠36週以降は医師の診断書が必要) |
| ✅ 家族のサポートを受けられる | ❌ 長期間夫と離れる |
| ✅ 日本の医療水準で安心 | ❌ 航空券代がかかる |
| ✅ 産後のケアが充実 | ❌ 出産後すぐに赤ちゃんを連れて海外に戻る必要がある |
| ❌ 赤ちゃんのパスポート取得に時間がかかる |
現地出産のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ✅ 夫が出産に立ち会える | ❌ 言語の壁がある |
| ✅ 産後すぐに家族で過ごせる | ❌ 家族のサポートが受けにくい |
| ✅ 移動の負担がない | ❌ 医療システムの違いに戸惑うことも |
| ✅ 出産後の手続きがスムーズ | ❌ 産後ケアが日本ほど充実していない国も |
どちらを選ぶべき?
里帰り出産がおすすめな人:
現地出産がおすすめな人:
里帰り出産の際の注意点
航空会社の搭乗制限:
- 妊娠36週以降は医師の診断書が必要(航空会社により異なる)
- 国際線は妊娠32週以降制限がかかることも
帰国のタイミング:
- 妊娠30週前後に帰国するのが一般的
- 産後1〜2か月後に赤ちゃんと一緒に戻る
海外での出産でよくある不安Q&A
海外出産でよくある疑問・不安にお答えします。
Q1: 英語が話せなくても大丈夫?
A: 日本語対応の病院を選べば大丈夫です。
- 大都市には日本語が通じる病院がある
- 通訳サービスを利用できる病院も
- 事前に医療英語を勉強しておくと安心
参考:
在外公館(日本大使館・領事館)で日本語対応病院のリストを入手できます。
Q2: 無痛分娩は必須?
A: 国によって異なります。
- アメリカでは無痛分娩が標準(約70%)
- 欧州も無痛分娩が一般的
- 日本では自然分娩が主流だが、海外では逆
選択は自由:
- 無痛分娩を希望しない場合は、事前に医師に伝えればOK
Q3: 産後のサポートはどうする?
A: 以下の方法があります。
- 家族に来てもらう
母親や義母に数週間滞在してもらう - 産後ドゥーラを雇う
産後ケアの専門家(有料) - 産後ケア施設を利用
韓国や台湾には「産後調理院」という施設がある - 夫と協力する
夫が育休を取得できる場合も
Q4: 赤ちゃんの国籍はどうなる?
A: 生まれた国と親の国籍によります。
| 出生国の制度 | 日本国籍 | 出生国の国籍 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 出生地主義(アメリカなど) | ⭕️ | ⭕️ | 二重国籍(22歳までにどちらかを選択) |
| 血統主義(ドイツなど) | ⭕️ | ❌ | 日本国籍のみ |
国籍留保を忘れずに:
- 出生地主義の国で生まれた場合、国籍留保届を提出しないと日本国籍を失います。
Q5: 帰国後の予防接種はどうする?
A: 接種スケジュールを確認しましょう。
- 国によって予防接種のスケジュールが異なる
- 帰国後、日本の定期接種を受ける必要がある
- 母子手帳に海外での接種記録を記入しておく
Q6: 医療費が高額で払えない場合は?
A: 以下の対策があります。
- 病院の分割払い
相談すれば応じてくれる病院もある - クレジットカードで支払い
分割払いやリボ払いを利用 - 出産育児一時金を先に受け取る
一部の健康保険では、事前に一時金を受け取れる制度がある - 家族に借りる
一時的に家族に支援してもらう
まとめ:海外での出産は、しっかり準備すれば安心!
海外での出産は、不安も多いですが、しっかり準備すれば安心して赤ちゃんを迎えられます。
海外出産の流れ(おさらい)
- 妊娠前〜妊娠初期
→ 保険加入、産院選び - 妊娠中期
→ 定期健診、出産準備 - 妊娠後期
→ 入院準備、緊急連絡先確認 - 出産直後
→ 出生証明書取得 - 出産後(帰国前)
→ 出生届・国籍留保・パスポート申請 - 帰国後
→ 出産育児一時金申請、児童手当申請
海外での出産は、大変なこともありますが、かけがえのない経験になります。
この記事が、あなたの海外出産の不安を少しでも軽くできたら嬉しいです。
準備をしっかりして、元気な赤ちゃんを迎えてくださいね。
妊娠中の悩みは、こちらにまとめてますので、参考にしてください。


