お子さんが「いじめられている」と聞いたら、親として本当に心配になりますよね。
でも、実は「いじめをしている側の子どもたち」のことを知ることも、とても大切なんです。
加害者の子どもたちの心理を理解することで、親は我が子をいじめから守る方法が見えてくるからです。
この記事では、文部科学省のデータや研究論文に基づいた「いじめの原因ランキングTOP10」を紹介しながら、加害者たちが何を考えているのかを深掘りしていきます。
「え、そんな理由で?」と驚くこともあるかもしれません。
一緒に見ていきましょう。
いじめについての悩みをまとめてますので、参考にしてください。
第1位:力が弱い・無抵抗と感じる相手へのからかい(37.7%)
いじめの最大の理由が、「力が弱い、無抵抗だと感じた相手」へのからかい。
つまり、加害者の子どもたちは、「この子なら反撃してこない」「この子は言い返してこない」と判断しているんです。
その無抵抗さが、加害者側に「あ、この子は支配できるな」という確信を与えます。
そして、その確信があれば、加害者は安心していじめを続けることができるんです。
だって、反撃がないから、学校の先生や親に報告される確率も低い。やり返されることもない。
だから、加害者側に罪悪感が生まれにくいんです。
加害者が感じている心理状態
加害者の子どもたちは、いじめをしているときに何を感じているのか。それは大きく3つです。
- 支配感
相手を完全にコントロール下に置いた感覚。
親に支配されている子どもたちが、学校では「自分は強い」「自分は支配できる人間だ」と初めて感じる瞬間です。 - 愉快感
相手の困惑した表情や、悲しそうな顔が「面白い」と感じる。
相手の反応そのものが、ゲームのスコアのように見えているんです。 - 優越感
「自分は相手より上の立場だ」という確認。
相手が自分より劣っていることを確認することで、自分の価値を保とうとしているんですね。
なぜこれが最多なのか
37.7%という圧倒的な割合が1位になっている理由は、シンプルです。
だから、加害者側が「これくらいは許される」と認識しやすいんです。
そして、特別な強い心理がなくても、誰でも加害者になれる。
普通の子どもたちでも、相手が弱そうだと思ったら、つい意地悪を言ってしまうこともありますよね。
そういう簡単さが、この理由が最多である原因です。
第2位:いい子ぶる・なまいきと感じる相手へのはらいせ(20.4%)
加害者の子どもたちは、どんな子を「いい子ぶっている」「なまいき」だと感じるのでしょう。
そういう子たちが、加害者の目には「嫌な奴」「生意気だ」と映っているんです。
嫉妬と反発の感情
このタイプのいじめの背景にあるのは、嫉妬です。
「なぜあいつばっかり褒められるんだ」「なぜあいつが得意なんだ」「なぜあいつが自信満々でいられるんだ」という、深い恨みのような感情です。
そして、その嫉妬が「反発」に変わります。
「あいつなんか、引きずり下ろしてやりたい」「あいつの調子に乗った態度を何とかしたい」という欲望が生まれるんです。
「あいつは本当は違う」という思い込み
加害者の子どもたちは、こう思っています。
「あいつは、いい子ぶってるけど、本当はそうじゃない。
あいつは、親や先生の前では良い子を演じているだけで、本当は悪い奴だ」
つまり、加害者側の子どもたちは「あいつの本当の姿を暴く」「あいつを本当の自分に戻してやる」という感覚で、いじめをしているんです。
「これは正義だ」という確信
加害者の子どもたちには、心の中に「罪悪感」がほぼ生まれません。
なぜなら「自分たちは、あいつの悪い部分を正すために、このようにしている」と本気で信じているから。
つまり「自分たちは、正しいことをしている」と思い込んでいるんです。
親に「どうしてそんなことをしたの?」と聞かれても「あの子が生意気だから」「あの子がいい子ぶってるから」と答える。
その理由が「正当だ」と思っているから、心が揺らがないんです。
第3位:態度・動作が鈍いと感じる相手へのからかい(11.8%)
動きが遅い。反応が遅い。雰囲気が何か違う。
そういう「違い」を感じた瞬間、加害者の子どもたちの中で、本能的な「排除」が起きるんです。
これは、昔の人間が「群れの中に異質な者がいると危険」だと感じていた本能が、まだ子どもたちの中に残っているからです。
グループ規範との衝突
加害者の子どもたちは、無意識に「グループに合わない者は排除すべき」だと感じています。
「私たちのグループはこういうノリで、こういう動きで、こういう雰囲気で成り立っている。
あの子は、その全てが違う。
だから、あの子はここにいるべきではない」という感覚ですね。
そして、「からかい」という形で、相手を排除しようとします。
からかいという名の排除
ここで注意すべきなのは、加害者の子どもたちは「いじめ」だと思わずに「からかい」だと思っているということです。
でも、相手にとっては、これは深刻な「仲間外れ」ですよね。
毎日、からかわれる。
毎日、グループから浮いている状態が続く。
それは、とても辛いことです。
加害者の子どもたちは、その辛さを想像できていないんです。
小学校で特に多い理由
小学校の低学年では、多様性への理解がまだ発達していません。
「皆と同じ」ということが、絶対的な価値になっているんです。
発達段階として、まだ「違う者を受け入れる力」が育っていない。
だから、異質な者への排除が、自然と起きてしまうんです。
第4位:相手に悪いところがあるから(正当化)
加害者の子どもたちは、相手の欠点や弱点を敏感に察知します。
「あいつはここが悪い」「あいつはここがダメだ」と、相手の欠点を次々と見つけるんです。
そして、一度見つけた欠点を、「いじめる理由」として固定化させます。
「あいつのそういうところが原因だ」と信じ込むんです。
「正当化」という心理トリック
加害者の子どもたちは、自分たちを「悪い子」だと思いたくないです。
だから、「相手の欠点を正すためだ」「相手のためになる懲らしめだ」という大義名分を、無意識に作り上げてしまうんです。
心理学では、これを「中和の技術」と呼びます。
自分たちの行為を「悪い行為」ではなく「必要な行為」に置き換える技術です。
加害者が感じる心理状態
そうすると、加害者の子どもたちの中で、こんな感情が生まれます。
正義感(歪んだ正義感)
「自分たちは相手のために懲らしめている。これは善い行為だ」という確信。
道徳的優越感
「自分たちは相手より優れている。自分たちは正しい」という優越感。
責任回避
「悪いのは相手であって、自分たちではない」という、心理的な逃げ道。
なぜこの正当化が本当に危険なのか
罪悪感がないから、いじめが止まりません。
むしろ「相手を正すために、もっと厳しくしなきゃ」と、エスカレートするんです。
そして、親も「相手が悪い」と聞くと、加害者側についてしまう場合があります。
「ちゃんとしなさい」と相手を責めてしまう。
そうすると、いじめは「教育」「躾」という名目で、正当化されてしまうんです。
相手の欠点は、実は後付けの場合が多い
ここで大切な指摘なんですが、研究によると、加害者が指摘する「欠点」は、ほとんどの場合が主観的なんです。
実は、「相手が気に入らない」という感情が先にあり、その後で「欠点」を後付けしているんですね。
本当は「あいつが嫌い」「あいつが許せない」というだけなのに、「あいつはここが悪いから」と理由をつけているわけです。
第5位:遊びやふざけだと思っていたから
加害者の子どもたちは、本気でいじめだと思っていないことがあります。
「これは友達同士のからかい」「これはノリの一種」だと認識しているんです。
むしろ、「相手も楽しんでいるに違いない」「相手も笑ってるじゃん」と思い込んでいる場合すら、あります。
線引きの問題:完全なズレ
ここに、いじめの最も厄介な問題があります。
加害者側は「笑える程度」だと思っています。
でも、被害者側は「苦しい、悲しい、辛い」と感じていますよね。
この認識の大きなズレが、いじめを継続させるんです。
加害者は「相手も楽しんでいる」と思っているから、何度も繰り返します。
第6位:なんとなくいじめたくなるから(理由不明確)
これは、加害者の子ども自身も、なぜいじめるのか分からない状態です。
理由がはっきりしない「モヤモヤ」した気持ちが、心の中に溜まることもありますよね。
そして、その原因不明の不満やストレスを、誰かにぶつけたくなる。
だから「なんとなく」いじめが起きるんです。
漠然としたストレスの発散
加害者の子どもたちが感じているのは、こんな気持ちです。
フラストレーション
何かがモヤモヤしている。
でも、何がモヤモヤしてるのか、自分でも分からない。
欲求不満
何かを発散したい。
でも、何を発散したいのか分からない。
衝動性
考える前に行動してしまう。
気がついたら、相手に意地悪をしていた。
「なんとなく」の危険性
加害者に「計画性」がないから、親も学校も対応しづらいです。
「どうしてそんなことをしたの?」と聞いても、本人も「分からない」と答えるだけ。
理由がないから「悪気がない」という理由で許容されやすい。
そして、理由がないから「いつ繰り返すか分からない」という、不安定性があります。
思春期の脳が関係している
実は、これは子どもの脳の発達段階と関係があるんです。
前頭前皮質という、理由付け能力を司る脳の部分がまだ発達途上です。
だから、自分の感情をコントロールする力が未熟で、「なぜこんなことをした」と聞かれても、自分でも理由が分からない状態になっているんですね。
第7位:周囲への同調圧力(友人グループの影響)
1人では「これはいじめだ」と判断できる子どもでも、友達グループの中だと、その判断が曇る場合があります。
グループの雰囲気に流される。皆がやっているから、自分もやる。
個人的な倫理観が、集団の圧力の前に、消えてしまうんです。
グループダイナミクスの力
加害者の子どもたちが感じているのは、こんな心理です。
仲間求め
グループから外れたくない。
皆がやってることに参加しないと、自分が仲間外れにされるかもしれない。
同調性
皆がやっているから、自分もやる。
皆がいいと言ってるなら、いいんだろう。
匿名性
集団に隠れることで、個人責任を回避。
「自分1人がやったわけじゃない」という気持ち。
「皆がやっているから」のメカニズム
集団の中では、こういうことが起きるんです。
- グループ内で1人がいじめを始める。
- 2人目が参加すると「これは許される行為なんだ」という暗黙の了解が生まれる。
- 3人目以降は「参加しないことが異端」という圧力が生じる。
気がついたら、クラス全体でいじめが起きている。
そういう状態になっていくんです。
加害者も被害者である場合
実は、この「同調による加害者」の中には、本当は「これは違う」と思ってる子どもたちがいます。
でも、グループから外れることを恐れて、参加している。
本当は「ノー」と言いたいけど、言えない心理状態にあるんです。
つまり、「周囲への同調」で加害者になってる子どもたちは、ある意味では、自分も被害者といえるかもしれませんね。
学校で多い理由
学校には、「クラスという強固な集団」が存在しますよね。
毎日、同じ教室で過ごす。その中で、グループは絶対的な安全基地になるんです。
1度いじめが始まると、集団全体に波及しやすい。
教師の態度がいじめを黙認していると、さらに広がる。
学校という環境だからこそ、この「同調による加害」が起きやすいんです。
第8位:家庭内でのストレス発散(家庭問題が原因)
加害者の子どもたちの中には、家庭に問題を抱えている子どもたちがいます。
親の離婚や不仲。親からの厳しすぎる指導。
親からの十分な愛情や承認を受けていない。
家庭という「安全基地」が機能していないんです。
そういう子どもたちは、家庭でストレスを解消できていませんよね。
むしろ、家庭がストレスの源になっているんです。
「二次的な被害者」としての加害者
これは、複雑な心理状態です。
加害者の子どもたちが感じているのは、このような感情です。
ストレス
家庭で解消されていない、押さえ込まれた感情。
欲求不満
家庭で満たされない心理ニーズ。
親から褒められたい、認められたいという欲求が、満たされていない。
支配欲
家庭で親に支配されている。
その支配から逃げるために、学校では逆に、他者を支配したくなる。
無力感
自分の環境は変えられない。
でも、他者は支配できる。
そこに、加害者は快感を感じる。
「弱い者いじめ」の悪循環
ここに、悪い循環があります。
- 親に支配されている
- 学校で弱い者を支配
- 親に無視されている
- 学校で相手を無視
- 親に暴力を受けている
- 学校で暴力をふるう
家庭の「いじめ」が、学校に投影されるんです。
家庭問題を抱える加害者の特徴
親に対しては、びっくりするくらい従順です。
親の前では「いい子」を演じている。
でも、学校では別人のように暴力的になる。
家に帰ると、また豹変する。
学校での行動と家庭での行動が、完全に違うんです。
親が気づきにくい理由
子どもは、家庭では「いい子」を演じているから、親は気づきません。
むしろ、「うちの子は良い子だ」と思っているかもしれませんね。
親は、学校でのいじめを知らない。
そして、親自身も家庭問題で余裕がない場合が多いんです。
子どもにかまってあげられない。
その結果、子どもは学校で「力」を求めるようになります。
第9位:支配欲・嫉妬心(相手を支配したい)
加害者の子どもたちの中には、心の底で「自分は価値がない」という深い自己否定感を持っている子どもたちがいます。
その補償として、「他者を支配することで、自分の価値を確認したい」と思うんです。
相手をコントロール下に置く。相手が自分の言う通りに動く。
その瞬間、初めて「自分は強い。自分は価値がある」と感じられるんです。
支配欲がもたらす快感
加害者の子どもたちが感じているのは、この様な感情です。
支配感
相手が自分の言う通りに動く喜び。
その快感は、中毒的です。
もっと支配したくなる。もっと相手を従わせたくなる。
優越感
相手より自分が上だという確信。
相手が自分に逆らえない状態が、加害者には最高の確認になります。
快感
相手の従属が、心理的な快感をもたらす。
これは、本当に危険な状態です。
嫉妬心と支配欲の結びつき
そして、これと嫉妬心が組み合わさると、さらに危険になります。
相手が自分より優れていることへの嫉妬。
その嫉妬を「支配」することで解消しようとする。
相手を引きずり下ろすことで、自分との差を埋めたい心理。
「あいつは優秀かもしれない。でも、支配下に置ければ、俺の方が上だ」。
そういう歪んだ思考が生まれるんです。
なぜ危険なのか
支配欲に基づくいじめは、「継続性」が高いんです。
相手が抵抗すればするほど、「支配の快感」が増す。
加害者の心理的問題が深いから、簡単な謝罪や指導では解決しないんです。
むしろ、相手を「自分の支配が不完全」だと感じさせることが、加害者にとっては「もっと支配したい」という欲望をかき立てます。
第10位:愉快感・快楽(相手の反応が面白い)
これは、本当に怖い心理状態です。
加害者の子どもたちの中では、「相手の苦しみ」が「エンターテインメント」に変換されてしまうことがあります。
共感能力がまだ発達していない
加害者が感じているのは、この様な感情です。
愉快感
相手の反応がエンターテインメント。
自分たちが引き出した反応が、どんどん面白くなっていく。
興奮
反応を引き出すことへのゲーム的興奮。
「あ、この言葉を言ったら、この反応が返ってきた」という予測が当たった興奮。
快感
相手が傷つく過程を楽しむ快感。
これは、本当に危険な快感です。
ゲーム感覚でいじめが繰り返される
加害者の子どもたちは、まるでゲームをするように、いじめを繰り返します。
「どこまでやったら反応するか」という実験的態度。
相手の反応を予測して、その通りになるか試す。
オンラインゲームと同じ「スコア感覚」で、相手を傷つけるんです。
脳の発達段階の問題
これは、脳の発達と関係があるんです。
前頭前皮質という部分の発達が不十分だと、相手の感情を自分の感情として感じる能力が弱いです。
「相手が痛い」「相手が悲しい」という認識は、理性的情報に過ぎない。
実感としては、相手の気持ちが分からないんです。
だから、「相手が泣いてる」という情報は頭に入るけど、「相手は悲しんでいる」という感覚は、持てないことがあります。
最も予測不可能で危険な加害者
このタイプの加害者は、対応が本当に難しいんです。
理由がないから対話が難しい。
「なぜそんなことをしたの?」と聞いても「面白かったから」という答えしか返ってきません。
「楽しい」という欲求を満たすまで、止まりません。
相手が泣き叫べば叫ぶほど、加害者にとっては「楽しい反応」になってしまうんです。
親も学校も「これは何で起きているのか」が分からないため、対応しづらいことがあります。
まとめ
いじめの原因は、本当に複雑ですよね。
この記事で紹介した、いじめの原因ランキングTOP10は、以下の通りです。
- 第1位:力が弱い・無抵抗と感じる相手へのからかい(37.7%)
- 第2位:いい子ぶる・なまいきと感じる相手へのはらいせ(20.4%)
- 第3位:態度・動作が鈍いと感じる相手へのからかい(11.8%)
- 第4位:相手に悪いところがあるから(正当化)
- 第5位:遊びやふざけだと思っていたから
- 第6位:なんとなくいじめたくなるから(理由不明確)
- 第7位:周囲への同調圧力(友人グループの影響)
- 第8位:家庭内でのストレス発散(家庭問題が原因)
- 第9位:支配欲・嫉妬心(相手を支配したい)
- 第10位:愉快感・快楽(相手の反応が面白い)
親がすべきことは「加害者を責める」ことではなく、「加害者の心理を理解する」ことです。
加害者の心理が分かれば、親は我が子の身の周りで何が起きているのかが見えるようになりますよね。
そして、我が子がいじめの対象にならないように、または、加害者側に回らないようにするために、何をすべきかが分かるようになります。
子どもたちの複雑な心理世界を理解することが、親ができる最大の防止策なんです。
こちらでは、いじめについての悩みをまとめてますので、参考にしてください。

