3月12日から、ガソリン価格が25〜30円も値上がりしました。
レギュラーガソリンが185円前後になり、満タンにすると1,000円以上も高くなった計算です。
毎日車を使う方にとっては、この値上げは家計に大きな打撃ですよね。

ちょっと前まで値下げして喜んでたので、なぜこんなに急に高くなったの?
と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
ガソリンが高騰した理由は、大きく分けて3つあります。
- イラン情勢の悪化(最大の要因)
- ガソリン補助金の終了
- 暫定税率の廃止
この記事では、ガソリン高騰の理由を、分かりやすく解説していきます。
また、「そもそもガソリン価格ってどうやって決まるの?」という基本的な仕組みや、家計への影響についても詳しく説明します。
難しそうに感じるかもしれませんが、理由が分かれば少し安心できるはずです。
ガソリン価格がいつ下がるのかについては、こちらの記事を参考にしてください。
ガソリン高騰の理由をわかりやすく解説(3つの原因)
なぜ、急にガソリン価格が高騰したのでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由①:イラン情勢の悪化(最大の要因)
今回のガソリン高騰の一番大きな理由は、アメリカがイランを攻撃していることです。
何が起きているの?
2026年2月28日、アメリカはイスラエルと一緒にイランへの軍事攻撃を始めました。
イランは核兵器を開発している疑いがあり、それを止めるための攻撃だと言われています。
なぜイランが重要なの?
イランは、世界でも有数の「石油を作っている国」です。
1日あたり約300万バレル(約4億7,700万リットル)もの石油を生産しています。
これは、日本が1日に使う石油の量とほぼ同じです。
つまり、イランで石油が作れなくなると、世界中で石油が足りなくなる可能性があるのです。
ホルムズ海峡って何?
もっと重要なのが「ホルムズ海峡」という場所です。
ホルムズ海峡は、イランとアラブ首長国連邦の間にある、幅が約34キロメートルの狭い海の通り道です。
ここを通って、世界の石油の約3分の1が運ばれています。
日本が輸入する石油の約90%も、この海峡を通ってきます。
もしこの海峡が使えなくなったら?
イランは、アメリカの攻撃への報復として「ホルムズ海峡を封鎖する」と警告しています。
もし本当に封鎖されたら、以下のようなことが起こります。
専門家の中には「ホルムズ海峡が封鎖されれば、ガソリン価格は1リットルあたり300円を超える可能性もある」と警告する人もいます。
実際に石油の値段はどうなった?
現在、世界中で「ホルムズ海峡が封鎖されるかもしれない」という不安が広がっています。
そのため、石油を買いたい人が殺到し、値段が急上昇しました。
WTI原油(アメリカで取引される石油の値段)は、3月10日時点で1バレル=82ドルまで上がりました。
これは、2024年7月以来の高い水準です。
ちなみに、2026年1月には65ドル前後だったので、わずか2ヶ月で約17ドル(約26%)も値上がりしたことになります。
石油の値段が上がると、なぜガソリンも上がるの?
ガソリンは、石油から作られます。
石油を日本に運んできて、製油所という工場でガソリンに変えて、ガソリンスタンドに届けます。
石油の値段が上がると、ガソリンを作るコストも上がるので、ガソリンスタンドでの値段も上がるのです。
まだ値上げが続く可能性も
専門家によれば、「イラン情勢が価格に反映されているガソリンスタンドはまだ一部」とのことです。
つまり、今後さらに値上げが進む可能性があります。
また、イラン情勢がさらに悪化して石油価格が今の1.5倍になった場合、ガソリン価格は1リットルあたり200円を超える可能性もあると言われています。
理由②:ガソリン補助金の終了
2つ目の理由は、ガソリン補助金の終了です。
ガソリン補助金って何?
ガソリン補助金とは、国が石油会社にお金を渡すことで、ガソリンの値段を安く抑える制度のことです。
例えば、本来なら1リットル180円のガソリンを、国が石油会社に20円を支給することで、ガソリンスタンドでは160円で売れるようにしていました。
なぜ補助金があったの?
この補助金は、2022年から始まりました。
新型コロナウイルスの影響で世界経済が混乱し、石油の値段が急上昇したため、国民の生活を守るために始まった緊急対策でした。
その後、2025年11月には補助金額が段階的に拡充され、最大で1リットルあたり20円の補助が出るようになりました。
いつ終了したの?
この補助金は、2025年12月31日に終了しました。
なぜ終了したかというと、政府は「補助金を出し続けるとお金がかかりすぎる」と判断したからです。
補助金を出すには税金を使うため、財政負担が大きくなっていました。
また、これからお話しする「暫定税率の廃止」で税金が安くなるため、「補助金がなくても大丈夫」という判断もあったようです。
どれくらい価格に影響したの?
補助金が終了したことで、ガソリン価格には約20円の上昇圧力がかかりました。
ただし、実際には次に説明する「暫定税率の廃止」があったため、この時点では大きな値上がりは感じられませんでした。
しかし、3月に入ってイラン情勢が悪化して石油価格が急上昇したことで、補助金がなくなった影響がはっきりと現れた形です。
補助金は再開されないの?
現時点では、補助金を再開する予定は発表されていません。
ただし、ガソリン価格が200円を超えるような異常事態になれば、政府が新たな対策を打ち出す可能性もあります。
過去には、あまりにも価格が高騰したときに緊急で補助金が復活したこともあります。
理由③:暫定税率の廃止
3つ目の理由は、ガソリン税の暫定税率が廃止されたことです。
ただし、これは「値上げの理由」というより、「本来は値下げの要因だったのに、効果が打ち消された」という複雑な話です。
暫定税率って何?
ガソリンには、いくつかの税金がかかっています。その中の1つが「ガソリン税」です。
ガソリン税には、もともと1リットルあたり28.7円の税金(本則税率)がかかっています。
それに加えて、1974年から「道路を作るための臨時のお金」として、1リットルあたり25.1円が上乗せされていました。これが「暫定税率」です。
つまり、2025年末までは合計53.8円のガソリン税がかかっていましたが、2026年1月からは28.7円だけになりました。
なぜ廃止されたの?
暫定税率は「臨時の措置」として始まったのに、50年以上も続いていました。
多くの国民や専門家から「もう道路はたくさん作ったのに、なぜまだ取るの?」という批判があり、ようやく2025年12月31日に廃止されることになりました。
本来は25円安くなるはずだった
暫定税率が廃止されたので、本来であればガソリン価格は1リットルあたり25.1円安くなるはずでした。
しかし、実際の価格変動はこうなりました。
- 暫定税率廃止:-25.1円(安くなる要因)
- 補助金終了:+20円(高くなる要因)
- 差し引き:約5円の値下がり
このため、2026年1月の時点では「ちょっと安くなったかな?」程度の変化でした。
3月に入ってから問題が起きた
問題は、3月に入ってからです。
イラン情勢の悪化で石油価格が急上昇し、ガソリン価格が25〜30円も値上がりしました。
つまり、暫定税率廃止による25円の値下げ効果が、完全に打ち消されたことになります。
結果的に、補助金があった時期(2025年12月)と比べると、ガソリン価格は高くなってしまったのです。
トリガー条項は使えないの?
「トリガー条項」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、ガソリン価格が3ヶ月連続で1リットルあたり160円を超えた場合、暫定税率の課税を一時停止する仕組みです。
しかし、すでに暫定税率は廃止されているため、このトリガー条項は使えません。
新たな減税をするには、別の法律を作る必要があります。
そもそもガソリン価格はどうやって決まる?
ここまでで、ガソリンが高騰した3つの理由を説明しました。
でも、「そもそもガソリンの値段って、どうやって決まるの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ガソリン価格の仕組みを、できるだけ分かりやすく解説します。
ガソリン1リットルの内訳
まず、ガソリン1リットル(185円)の内訳を見てみましょう。
ガソリン1リットル=185円の内訳(おおよそ)
- 原油代:約80円(石油そのものの値段)
- 税金:約60円(ガソリン税・石油税・消費税)
- 精製・運送費:約25円(ガソリンに変えて運ぶコスト)
- 利益:約20円(石油会社やガソリンスタンドの利益)
意外かもしれませんが、ガソリン1リットルのうち約3分の1が税金なのです。
原油価格の影響
ガソリン価格を左右する最大の要因は、原油価格です。
原油って何?
原油とは、地下から掘り出した「石油」のことです。
この原油を製油所という工場で加工すると、ガソリン・軽油・灯油などができます。
原油価格はどこで決まるの?
原油は、世界中で取引されています。
有名なのが「WTI原油」(アメリカ)と「ブレント原油」(ヨーロッパ)です。
これらの原油は、株式市場のように毎日取引されており、需要と供給のバランスで値段が決まります。
- 石油がたくさん必要とされている+石油が足りない → 値段が上がる
- 石油があまり必要とされていない+石油が余っている → 値段が下がる
今はなぜ高いの?
現在は、イラン情勢の悪化で「石油が足りなくなるかもしれない」という不安が広がっているため、値段が急上昇しています。
為替レート(円安・円高)の影響
ガソリン価格には、為替レートも大きく影響します。
為替レートって何?
為替レートとは、「1ドルが何円か」という交換レートのことです。
日本は石油をほぼ100%外国から輸入しています。
石油を買うときは「ドル」で支払うため、円安・円高の影響を受けるのです。
円安だと高くなる理由
例えば、100ドルの石油を買うとします。
- 1ドル=100円のとき:100ドル=10,000円
- 1ドル=150円のとき:100ドル=15,000円
同じ100ドルの石油でも、円安だと5,000円も多く払わなければなりませんよね。
これがガソリン価格に上乗せされます。
今はどうなの?
2026年3月現在、1ドル=150円前後の円安が続いています。
これも、ガソリンが高い理由の1つです。
税金の種類と金額
ガソリンには、以下の3つの税金がかかっています。
1. ガソリン税:28.7円
正式には「揮発油税」と言います。
ガソリンを作るときにかかる税金です。
以前は暫定税率が上乗せされて53.8円でしたが、2026年1月から28.7円になりました。
2. 石油税:2.8円
石油を輸入するときにかかる税金です。
3. 消費税:約17円(ガソリン価格185円の場合)
ガソリンにも消費税(10%)がかかります。
ただし、消費税は「税金に税金をかける」という問題があります。
つまり、ガソリン税や石油税を含めた金額に対して10%がかかるため、実質的に二重課税になっています。
つまり、ガソリン1リットル(185円)のうち、約49円が税金です。
④精製・運送費と利益
残りの部分は、以下のようなコストと利益です。
- 石油をガソリンに変える費用(製油所のコスト)
- ガソリンを運ぶ費用(タンクローリーの運送費)
- ガソリンスタンドの運営費(電気代・人件費など)
- 石油会社やガソリンスタンドの利益
これらを合計すると、約45円になります。
家計への影響はどれくらい?
ガソリンが25〜30円値上がりしたことで、実際に家計にはどれくらいの影響があるのでしょうか?
具体的に計算してみましょう。
月にどれくらい負担が増える?
前提条件
- 車のガソリンタンク:40リットル
- 月に2回満タンにする(月間80リットル使用)
- 値上げ前:160円/リットル
- 値上げ後:185円/リットル
計算
- 値上げ前:160円 × 80リットル = 12,800円/月
- 値上げ後:185円 × 80リットル = 14,800円/月
- 差額:2,000円/月の負担増
年間にすると、24,000円も多く払うことになります。
保育園送迎での影響
保育園の送迎で毎日車を使っている場合、さらに影響が大きくなります。
前提条件
- 自宅から保育園まで片道5km
- 往復で10km
- 週5日、月に約20日通う
- 1リットルで10km走る車の場合
計算
- 月の走行距離:10km × 20日 = 200km
- 月の使用量:200km ÷ 10km/L = 20リットル
- 値上げ前:160円 × 20リットル = 3,200円/月
- 値上げ後:185円 × 20リットル = 3,700円/月
- 差額:500円/月の負担増
保育園送迎だけで、年間6,000円も多く払うことになります。
「いつになったらガソリン価格は下がるの?」と気になっている方も多いと思います。
専門家の予測や今後の見通しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
ガソリン価格が3月12日から25〜30円も値上がりし、185円前後になりました。
値上がりの理由は3つです。
- イラン情勢の悪化
中東での戦争により、石油の供給不安が広がり、原油価格が82ドルまで急上昇した(最大の要因) - ガソリン補助金の終了
2025年12月31日に終了し、約20円の値上がり要因に - 暫定税率の廃止
本来は25円安くなるはずが、補助金終了と原油高騰で効果が打ち消された
また、ガソリン価格は「原油価格」「為替レート」「税金」「精製・運送費」などで決まります。
現在は円安も影響し、輸入コストが高くなっています。
家計には、月に2,000円、年間24,000円の負担増となり、決して小さくありませんよね。
でも、「なぜ高くなったのか」が分かると、少しだけ気持ちが楽になるのではないでしょうか。
ずっと高いわけではないので、なんとか節約をしながら頑張っていきましょう。


