2026年4月から「こども誰でも通園制度」が始まります。
これは、これまで働いていないと預けられなかった保育園を、専業主婦やフリーランスのママでも利用できるようにする制度です。
対象は0歳6か月〜満3歳未満の子どもで、月10時間まで就労要件なしで預けられます。
「やっと息抜きできる!」と期待する声がある一方で、実は反対意見も多く上がっているんです。
保育士の53%が「不安」と回答し、現場からは「業務負担が増える」「子どもの安全が守れない」という悲鳴が上がっています。
また利用する側も、「月10時間では足りない」「抽選で使えない」「子どもが毎回泣いて慣れない」など、使いづらい現実があります。
期待していた分、「こんなはずじゃなかった」とならないように、この記事では反対の声やデメリット、実際に使えない理由を正直にお伝えします。
申し込む前に、ぜひ読んでみてくださいね。
こども誰でも通園制度に、なぜ反対の声が多いのか?
「こども誰でも通園制度」は、就労していない親でも保育園を利用できる画期的な制度として注目されています。
でも実際には、保育現場や専門家から強い反対の声が上がっているんです。
なぜこんなに反対されているのでしょうか?その理由を5つに整理してお伝えしますね。
理由①: 保育士の53%が「不安」業務負担と安全面の懸念
レバレジーズ株式会社が2026年1月に実施した調査では、現役の保育士・幼稚園教諭の53.7%が「こども誰でも通園制度」に対して不安を感じているという結果が出ました。
出典: レバレジーズ株式会社
保育士が不安を感じる理由
また、東京新聞が保育士を対象に実施したアンケートでは、75%が制度について「悪いと思う」「とても悪いと思う」と回答しています。
現場の保育士からは、こんな声が上がっています
「毎日違う子どもが来るのに、アレルギーや既往歴を把握しきれません。
もし何かあったら…と思うと怖いです」
「利用児はなかなか場所に慣れることができずに泣き続け、保育士2人はつきっきりの対応に追われました。
休憩の確保もままならず、在園児に手が回らなくなりました」
出典: 毎日新聞
保育士は子どもの命を預かる仕事ですよね。
その保育士が「不安」と感じている制度を、本当にこのまま進めていいのか?という疑問の声が多く上がっています。
理由②: 人手不足なのに制度拡大、現場が回らない
保育業界は今、深刻な人手不足に悩んでいます。
厚生労働省の調査では、保育士の有効求人倍率は全国平均で2倍を超えており、都市部では3〜4倍という地域もあります。
つまり、保育士1人に対して2〜4件の求人がある状態で、人材が全く足りていないんです。
そんな中で新しい制度を導入すれば、現場はさらに混乱します。
現場で起きていること
実際に、制度のモデル事業に参加した保育士の中には、「これ以上は無理」と退職を選んだ人もいます。
noteに投稿された保育士の声には、こう書かれていました。
「低賃金や過重労働に加え、誰でも通園制度で負担がさらに増える。
こどものために働きたいのに、こどもに丁寧に関われない環境では、辞めるしかありませんでした」
出典: note「”誰でも通園制度”に怒り、辞めるしかなかった 制度をつくる人に」
人手が足りない現場に、さらに負担を増やす制度。
これでは、保育士が疲弊し、結果的に子どもたちにしわ寄せが行くのではないか、という懸念が広がっています。
理由③: 「こどもまんなか」ではなく「親都合」との指摘
政府は「こどもまんなか」を掲げて、この制度を推進しています。
でも実際には、「こどものため」ではなく「親の都合」を優先した制度ではないか、という批判があります。
「こどもまんなか」ではない理由
不規則な利用で子どもが環境に慣れない
月10時間を、週1回2時間ずつ使う場合、月に4〜5回しか園に行きません。
0〜2歳の子どもにとって、「週に1回だけ行く知らない場所」に慣れるのはとても難しいことです。
毎回違う施設を転々とする可能性
希望の園に入れない場合、複数の施設を転々とすることもあります。
子どもにとっては、「毎回違う場所、違う保育士」に預けられることになり、大きなストレスになります。
分離不安・人見知りへの対応が不十分
0〜2歳は、親と離れることに強い不安を感じる時期です。
毎回泣いて、保育士につきっきりで抱っこされても、次の週にはまた一からやり直し。
子どもにとって本当に良い環境なのでしょうか?
日本共産党は、この制度を「看板倒れで危険な政策」と批判しています。
出典: 日本共産党
「こどもまんなか」と言いながら、実際には子どもが一番不安定になる制度ではないか。
この矛盾が、反対の声につながっています。
理由④: 感染症リスクの増加
保育園では、感染症の流行がつきものですよね。
インフルエンザ、RSウイルス、手足口病、ノロウイルスなど、子どもたちは次々に病気をもらってきます。
こども誰でも通園制度では、毎回違う子どもが出入りすることになります。
つまり、感染症が広がりやすい環境になるんです。
感染症リスクが高まる理由
在園児の保護者からは、「誰でも通園制度が始まったら、うちの子が病気をもらうのでは?」という不安の声も上がっています。
理由⑤: 実質「一時預かり」なのに新制度として立ち上げる理由は?
実は、多くの自治体には既に「一時預かり事業」という制度があります。
これは、就労していない親でも、一時的に子どもを預けられるサービスです。
「こども誰でも通園制度」は、内容的にはこの「一時預かり」とほとんど同じです。
それなのに、なぜわざわざ新しい制度として立ち上げるのでしょうか?
疑問の声
自治体研究社の論文では、「市町村の関与・責任が大幅に後退し、問題があれば当事者のいわば『自己責任』となる」と指摘されています。
出典: 自治体研究社
既存の制度を充実させるのではなく、新しい制度を作ることで、むしろ保育の質が下がり、責任の所在が曖昧になるのではないか。
そんな不安が、反対の声につながっているんです。
こども誰でも通園制度の利用者(親)にとってのデメリット
保育現場の課題だけでなく、実際に利用する親にとっても、この制度にはデメリットがあります。
「使いたいけど使えない」「使ってみたけど期待外れ」という声が、モデル事業の段階から上がっているんです。
ここでは、親の立場から見た4つのデメリットを詳しく解説します。
デメリット①: 月10時間では足りない
こども誰でも通園制度の利用時間は、月10時間までです。
「月10時間」と聞くと、なんとなく使えそうな気がしますよね。
でも実際に計算してみると、驚くほど少ないんです。
月10時間を週で割ると
- 月4週として、1週間あたり2.5時間
- 週2回利用なら、1回1時間15分
- 週1回利用なら、1回2.5時間
これで何ができるでしょうか?
月10時間でできること(シミュレーション)
美容院に行く場合
カット+カラーで約2〜3時間。
往復の移動時間を入れると、1回で3〜4時間使いますよね。
月10時間のうち、これで3〜4時間消費。残りは6〜7時間です。
病院に行く場合
待ち時間を含めると、1回の受診で2〜3時間かかることも。
これで残りは3〜5時間。
買い物に行く場合
ゆっくり買い物をしたいなら2時間は欲しいところ。
これで残りは1〜3時間。
結論: 月10時間では、美容院1回、病院1回、買い物1回で終わってしまいます。
政府が掲げる「育児の孤立化防止」「親のリフレッシュ」という目的には、正直なところ全く足りないのが現実です。
第一生命経済研究所の調査では、「月10時間では保育士の専門性を発揮しきれない」という指摘もあります。
出典: 第一生命経済研究所
「せっかく制度ができても、使える時間が少なすぎて意味がない」という声が、多くの親から上がっているんです。
デメリット②: 申し込んでも使えない可能性
「こども誰でも通園制度」は、申し込めば必ず利用できるわけではありません。
希望者が多い場合、抽選になります。
そして、抽選に落ちれば使えません。
こども家庭庁のQ&Aによると、以下のような家庭が優先されます。
出典: こども家庭庁
これは、配慮が必要な家庭を優先するという意味では正しい判断です。
でも裏を返せば、一般的な家庭は後回しにされる可能性が高いということですよね。
モデル事業の段階でも、「申し込んだけど枠がいっぱいで使えなかった」という声が多く上がっています。
特に都市部では、保育園の待機児童問題がまだ解決していません。
そんな中で新しい制度を始めても、枠が足りるはずがないですよね。
さらに問題なのは、一部の自治体では、そもそも一時預かり事業を実施していないことです。
つまり、住んでいる地域によっては、制度があっても使えないということです。
「使いたいのに使えない」。これが、この制度の大きなデメリットの一つですね。
デメリット③: 希望の園に入れない、毎回違う園になる可能性
申し込んで抽選に当たったとしても、次の問題があります。
それは、希望の園に入れるとは限らないということです。
起こりうるケース
実際に、モデル事業の利用者からは、「希望の園に入れず、遠い園を指定された」という声が上がっています。
月10時間を複数の園で使う場合、子どもは毎回違う環境に行くことになります。
大人でも、毎回違う場所に行くのは疲れますよね。
ましてや0〜2歳の小さな子どもにとって、毎回違う場所、違う保育士に預けられるのは大きなストレスです。
「やっと慣れてきたかな」と思ったら、また違う園。子どもが環境に慣れる前に次の場所へ。
これでは、子どもにとって負担が大きすぎるのではないでしょうか。
デメリット④: 子どもへの心理的負担
最後に、そして最も大切なのが、子どもへの心理的負担です。
0〜2歳は、親と離れることに強い不安を感じる時期です。
心理学では「分離不安」と呼ばれ、親が見えなくなると泣いたり、パニックになったりする子どもがたくさんいます。
毎回違う場所、違う保育士に預けられるストレス
これらが毎回リセットされ、一から繰り返されます。
Yahoo!知恵袋には、こんな質問が投稿されていました。
「こども誰でも通園制度について。子供は園に慣れましたか?週に一回の半日だけだからか、全く慣れずで泣いてばかりで‥」
出典: Yahoo!知恵袋
泣き続ける子どもを見て、親も「本当にこれでいいのか?」と罪悪感を感じます。
リフレッシュするために預けたはずなのに、逆にストレスが増える。
そんな声も少なくありません。
「こどもまんなか」と言いながら、実際には子どもが一番不安定になる。
「使えない理由」実際の声とモデル事業で見えた課題
ここまで、反対の理由とデメリットを見てきました。
でも「実際のところ、どうなの?」と思いますよね。
政府は2024年度からモデル事業を実施し、全国の自治体で試験的に制度を運用してきました。
その中で、利用者(親)と保育士の両方から、リアルな声が上がっています。
ここでは、実際に使った人たちの声と、モデル事業で見えてきた課題をお伝えします。
利用者(親)の声
「抽選に落ちて使えなかった」
モデル事業の段階から、「申し込んだけど枠がいっぱいで使えなかった」という声が多く上がっています。
特に都市部では、希望者が殺到し、抽選倍率が数倍になったケースもあります。
「誰でも使える」はずの制度なのに、実際には「一部の人しか使えない」のが現実です。
「月10時間じゃ何もできない」
実際に利用した親からは、「月10時間では足りない」という声が圧倒的に多いです。
「美容院に行ったら、それだけで半分以上使ってしまった。これじゃリフレッシュにならない」
「病院の待ち時間が長くて、1回の受診で3時間使った。残りの時間で何をすればいいのか…」
政府が掲げる「育児の孤立化防止」という目的には、明らかに時間が足りていません。
「子どもが毎回泣いて心が痛む」
「預けるときに泣かれて、迎えに行ったらまた泣いて。これでリフレッシュなんてできない」
「保育士さんが『大丈夫ですよ』と言ってくれるけど、本当にこれでいいのか不安」
子どもが泣く姿を見て、親も罪悪感を感じる。そんなケースが少なくありません。
「希望の園に入れず、遠い園を指定された」
第一希望の園が満員で、家から遠い園を指定されるケースもあります。
「車で30分かかる園を指定された。往復1時間かけて2時間預けても、実質1時間しか自由時間がない」
「バスでは行けない場所で、結局使えなかった」
希望の園に入れないだけでなく、物理的に通えない園を指定されることもあるようです。
保育士の声
「つきっきりで対応、在園児に手が回らない」
毎日新聞の記事には、こんな保育士の声が紹介されています。
「利用児はなかなか場所に慣れることができずに泣き続け、保育士2人はつきっきりの対応に追われた。
休憩の確保もままならず、担当外の保育士を投入したことで、在園児の保育に影響が出た」
出典: 毎日新聞
新しく来た子どもが泣いていれば、保育士はその子につきっきりになりますよね。
その結果、いつも見ている在園児への対応がおろそかになる。
これでは、誰のための保育なのか分からなくなってしまいます。
「休憩も取れない」
保育士は法律で休憩時間が保障されています。
でも実際には、人手不足で休憩が取れないケースが多いんです。
誰でも通園制度が始まれば、さらに負担が増え、休憩どころではなくなります。
保育士の健康が守られない環境では、子どもたちの安全も守れません。
「アレルギー対応が怖い」
毎日違う子どもが来る中で、一番怖いのがアレルギー対応です。
「事前に情報は聞くけど、実際に会うのは当日。
もし食物アレルギーでアナフィラキシーが起きたら…と思うと怖い」
「在園児なら、普段の様子を見ているから異変に気づきやすい。
でも初めて会う子の異変には気づきにくい」
アレルギーは命に関わる問題です。
その対応が不十分なまま制度を進めるのは、あまりにもリスクが大きいのではないでしょうか。
まとめ:こども誰でも通園制度には、まだ問題点がたくさんある
こども誰でも通園制度は、「育児の孤立化を防ぐ」という素晴らしい理念を掲げています。
就労していない親でも保育園を利用できる仕組みは、確かに画期的です。
でも現時点では、課題があまりにも多いのが現実です。
保育士の半数以上が不安を感じ、現場の負担増や子どもの安全面に大きな懸念があります。
人手不足の中で制度を拡大すれば、在園児への保育の質も下がってしまいます。
親にとっても、「月10時間では足りない」「抽選で使えない」「子どもが慣れない」など、使いづらい点が目立ちます。
そして何より、最も影響を受けるのは子どもたち自身ですよね。
毎回泣いて、環境に慣れる前に次の場所へ。
「こどもまんなか」と言いながら、子どもが一番不安定になる制度になっているのではないでしょうか。
制度の理念は素晴らしいですが、人手不足や体制の不十分さを解決しないまま見切り発車した感は否めません。
もし申し込みを検討している方は、お住まいの自治体に詳細を確認し、お子さんに合うかどうか慎重に判断してくださいね。

